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女優・映画監督・脚本家をこなす新人、千木良悠子の第一小説集。鸚鵡、巨大オムレツ、森羅万象なんとでも性交しまくる同居人「ドクター」の様子を、猫を殺さない「猫殺しマギー」の視点から変幻自在に描いた傑作。表題作の他「甘夏キンダガートン」「アカシック・レコードに乗せられて」を収録。
俺の名前は猫殺しマギー。でも、猫は殺さない。
なぜそう呼ばれているのかはわからない。ものの名前は理由のつけられないものの方が多いから、それでいいんだろうと思う。
昼頃目がさめたら、窓があいていた。暑くもなく寒くもなく、風が入ってくるから、俺はずっと窓の外を見ている。隣の家に生えているびわの木が、手のとどきそうなところにあって、熱帯雨林の中にいるみたいなんだ。
玄関のほうではまたドクターが、女を殺しておかしているようだ。
(「猫殺しマギー」本文より) |